背負いの美学

M1956 FIELD PACK
初期型《ラベル》

M1956 FIELD PACKは1956年頃に制式採用された。制式名称はM1956 FIELD PACK COMBAT。別称BUTT PACKとも言う。

画像のタイプは初期型となり、中期型（下記参照）、後期型（下記参照）が存在する。またこのM1956 FIELD PACKとは別にM1967 FIELD PACK（下記参照）、M1967 USMC FIELD PACK（下記参照）が存在し、試作型としてEXPERIMENTAL FIELD PACK（下記参照）が存在する。主にアメリカ軍の陸軍一般兵が使用しており、稀にアメリカ軍の特殊部隊や海兵隊でも使用している画像を見る事が出来る。

コットン製のこのパックは背中にあるスライドキーパーをM1956ベルト等に、上部にあるハトメでM1956H型サスベンダー等のフックに引っ掛けて装着する。またパック・アダプター・ストラップを M1956H型サスベンダーに装着することによってリュックサックのようにすることも出来る。フックを引っ掛けるハトメ部分とスライドキーパーを装着する部分があり、様々なアイテムを取り付けることが出来る。

中期型《ラベル》

全体を初期型と比べてみると、初期型の名札入れが正方形になっているのに対し、後期型は逆台形ぽくなっている。

後期型《ラベル》

別称M1961フィールドパック。全体を初期型/中期型と比べてみると、初期型/中期型では正方形ぽくなっているのに対し、後期型は逆台形ぽくなっている。また初期型/中期型では内張りに防水用のカバーが無いの対し、後期型は内張り用の防水用カバーが付いてる。

補足になるがラベルでは「M1956 FIELD PACK CANVAS COMBAT」、「M1961 FIELD PACK CANVAS COMBAT」とプリントされているものも存在する。

最後期型《ラベル》

別称M1961フィールドパック。全体を後期型と比べてみると、ほぼ同形状になっている。また後期型では名札入れが蓋に付いているの対し、最後期型は背中に付いてる。

*EXPERIMENTAL FIELD PACK*

このEXPERIMENTAL FIELD PACKはM1956 FIELD PACKの原型になり、 M1956 FIELD PACKとほぼ同じ構造になっているが、ベルトキーパーや細部が所々違う部分が見受けられる。またフィールドパックの表面に「EX54-14」の文字が記載されており、「EX」は「EXPERIMENTAL」の略と推測され、同時期の試作品にも「EX54」と表記されている為、1954typeと呼ばれている。また一回り大きいタイプ「EX54-13」も存在する。

M1967 FIELD PACK
《ラベル》

M1967 FIELD PACKは1967年頃に制式採用された。制式名称はM1967 FIELD PACK CARGO NYLON（USMC）。

ナイロン製のこのパックは背中にあるスライドキーパーをベルトをM1967ベルト等に、上部にあるハトメでM1967H型サスベンダー等のフックに引っ掛けて装着する。 M1967H型サスベンダーのフックに連結させることにより、リュックサックのようにすることも出来る。フックを引っ掛けるハトメ部分とスライドキーパーを装着する部分があり、様々なアイテムを取り付けることが出来る。

全体をM1956 FIELD PACKの後期型と比べてみると、 M1956 FIELD PACKの後期型では材質がコットン製なのに対し、M1967 FIELD PACKはナイロン製になっている。またM1956 FIELD PACKの後期型では名札入れが蓋に付いているの対し、M1967 FIELD PACKは背中に付いてる。

余談になりますが、注目すべき点はUSMCと記述されている所です。これはアメリカ軍の海兵隊のみに支給されていた可能性を示しています。さらにM1967 USMC FIELD PACK（下記参照）が存在している為、同時期にアメリカ軍の海兵隊は二種類のFIELD PACKを採用していたことになります。確証はありませんがこの画像のタイプでUSMCの記述が無い物も存在しているかもしれません。

*謎のM1967 FIELD PACK*

一見するとM1967 FIELD PACKに見えるこのFIELD PACKはM1956 FIELD PACKの後期型をそのままナイロン製にしたタイプになっており、 XM1964 USMC FIELD PACK / M1967 FIELD PACKの試作品（もしくはLINCLOE）、またはUSMCのプリントがあることから海兵隊が独自に発注したものと推測される。

余談になりますが同形状でUSのプリント（名札入れが背中）されているものや、蓋の両側（通常は片側のみ/名札入れが背中）にハトメが付いているタイプなど数タイプが存在しています。

※画像は沖縄ミリカジさんの許可を得て使用しています。

*謎のALICE TRAINING FIELD PACK*
《ラベル》

一見するとALICE TRAINING FIELD PACKに見えるこのFIELD PACKは ALICE装備（LC-1装備）以降に見られる形状（サスペンダーを接続するハトメがDリングに変更）になっているが、「FIELD PACK COMBAT M1967」の文字がプリントされている。
また画像のタイプは蓋の片側にハトメが無いが、蓋の片側にハトメが有るタイプも存在している。謎のALICE TRAINING FIELD PACK同様にサスペンダーを接続するハトメがDリングに変更になっており、「FIELD PACK COMBAT M1967」とプリントされている。

※ALICE TRAINING FIELD PACKは複製品も多く存在しており、紹介しているものも実物かどうかは不明です。

M1967 USMC FIELD PACK
《ラベル》

M1967 USMC FIELD PACKは1967年頃に制式採用された。制式名称はM1967 FIELD PACK COMBAT NYLON（USMC）。

ナイロン製のこのパックは専用のナイロン製H型サスペンダーとボタンで連結させリュックサックのようにして装着する。その為、このパック単体では背負うことができない。またパック本体に大きなポーチが2つあり、M1967 FIELD PACKと同じように名札入れが背中に付いている。フックを引っ掛けるハトメ部分とスライドキーパーを装着する部分があり、様々なアイテムを取り付けることが出来る。

補足になるがナイロン製H型サスペンダーは右左のショルダーストラップはクイックリリースになっており、緊急時に素早く脱着出来るようになっている。

余談になりますが、M1967 USMC FIELD PACKの試作品としてXM1964 USMC FIELD PACKが存在しています。M1967 USMC FIELD PACKがサスペンダーに連結させて使用するのに対し、 XM1964 USMC FIELD PACKはクイックリリースタイプのショルダーストラップが付いています。

M1945 FIELD PACK
《ラベル》

M1945 FIELD PACKは1945年頃に制式採用された。制式名称はM1945 FIELD PACK COMBAT。

画像のタイプはM1944 FIELD PACK（M1945 FIELD PACK/初期型）の改良型になり、 M1945 FIELD PACKと連結して使用するM1945 CARGO BACK（下記参照）が存在する。主に南ベトナム軍や韓国軍などが使用していた。

コットン製のこのパックは M1945X型サスベンダーと連結させリュックサックのようにして装着する。その為、このパック単体では背負うことができない。フックを引っ掛けるハトメ部分とスライドキーパーを装着する部分があり、様々なアイテムを取り付けることが出来る。

補足になるがM1945 FIELD PACKはM1941 FIELD PACK（HAVER SACK）を参考にしたと言われ、 M1945 FIELD PACKは60年代まで製造（発注）している。

M1945 CARGO BACK
《ラベル》

M1945 CARGO BACK（HAVER SACK）はM1945 FIELD PACK（HAVER SACK）と共に1945年頃に制式採用された。制式名称はM1945 FIELD PACK CARGO。

画像のタイプはM1944 FIELD PACK CARGO（M1945 FIELD PACK CARGO/初期型）の改良型になる。主に南ベトナム軍や韓国軍が使用していた。

コットン製のこのパックは「CARGO」となっているだけに収納を目的としており、手提げバッグとして単体で使用することが出来るがアイテムを取り付ける所が少なく、このパック単体では背負うことは出来ない。

補足になるがM1945 FIELD PACKと共に装着している画像はあまり見る事が出来ない。

｛Special Thanks - Mr.DOG、SHOP/Okinawa Mirikaji｝